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小学校STEAM教育で子どもたちの探究を深める:探究サイクルの具体的な回し方

Tags: STEAM教育, 小学校, 探究学習, 授業実践, 探究サイクル

小学校におけるSTEAM教育の導入や実践において、「探究」は中心的な要素の一つです。子どもたちが自ら問いを立て、試行錯誤しながら学びを進める探究活動は、STEAM分野の知識や技能を横断的に活用し、課題解決能力や創造性を育む上で非常に重要です。しかし、日々の授業の中で、どのように探究活動を計画し、子どもたちが主体的にサイクルを回せるように支援すれば良いのか、悩まれている先生方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、小学校でのSTEAM教育における探究活動を円滑に進めるために、探究サイクルを構成する主要なステップと、それぞれのステップで教師がどのように支援できるのか、具体的な実践のヒントを交えて解説します。

STEAM教育における「探究サイクル」とは

探究サイクルとは、子どもたちが一つのテーマや課題に対して、学びを深めていくための連続的なプロセスを示します。一般的な探究サイクルは、以下のようなステップで構成されることが多いです。

  1. 問いの設定(疑問を持つ、課題を見つける)
  2. 計画(調べる方法や作るものを考える)
  3. 実行(調べたり、作ったりする)
  4. 振り返り(結果を整理し、考えを深める)
  5. 表現・共有(学んだことや作ったものを発表する)

これらのステップは一方通行ではなく、実行の過程で新たな問いが生まれたり、振り返りから計画を修正したりと、循環しながら進んでいくことが特徴です。STEAM教育では、特に「実行」の段階で科学的な探究、技術や工学を用いたものづくり、アートによる表現などが複合的に関わってきます。

小学校での探究サイクル実践:各ステップのポイント

ここでは、小学校の授業で探究サイクルを効果的に回すための具体的なアプローチをご紹介します。

1. 問いの設定:子どもの「なぜ?」「どうして?」を引き出す

探究のスタートは、子どもたちの興味や疑問、身近な課題です。

2. 計画:見通しを持ち、協働を学ぶ

問いが設定できたら、次にその問いにどう向き合うかを計画します。

3. 実行:試行錯誤を繰り返し、学びを深める

計画に基づき、実際に探究活動を進める最も時間とエネルギーを要するステップです。

4. 振り返り:学びを整理し、新たな気づきを得る

活動で得られた結果や過程を振り返り、自分の考えや学びを整理するステップです。

5. 表現・共有:学びを伝え、仲間の学びから刺激を受ける

探究を通して得られた学びや成果を、他者に伝わる形にまとめ、共有するステップです。

探究サイクル実践のためのポイント

まとめ

小学校でのSTEAM教育における探究サイクルは、子どもたちが主体的に学びを進め、深い理解と多様な能力を育むための重要な枠組みです。「問いの設定」から「表現・共有」まで、それぞれのステップで子どもたちが主体性を発揮できるよう、教師が適切な支援を行うことで、探究活動はより豊かな学びへと繋がります。この記事でご紹介したヒントが、先生方の今後のSTEAM教育実践の一助となれば幸いです。子どもたちと共に、探究の面白さを体験してください。