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Microduinoを使った小学校フィジカルコンピューティング入門:小さなモジュールで広がるSTEAMの世界

Tags: Microduino, フィジカルコンピューティング, プログラミング教育, 小学校, 教材

はじめに

小学校におけるSTEAM教育の実践において、プログラミングと現実世界を結びつけるフィジカルコンピューティングは、子どもたちの創造性や問題解決能力を育む有効な手段の一つです。様々な教材がある中で、Microduinoは小さなサイズとモジュール式の特性から、小学校現場での導入に適した可能性を秘めています。この記事では、Microduinoを用いたフィジカルコンピューティングの入門として、その特徴や小学校での導入メリット、具体的な活用アイデアについて解説します。

Microduinoとは

Microduinoは、Arduino互換の小さなモジュール型マイクロコントローラープラットフォームです。中心となるCPUモジュールに、センサーやLED、モータードライバーなどの機能モジュールを積み重ねるように接続して使用します。レゴブロックのように物理的に組み合わせて拡張できる点が大きな特徴です。

主な特徴は以下の通りです。

小学校でのMicroduino導入メリット

Microduinoを小学校のSTEAM教育に導入することには、いくつかのメリットが考えられます。

Microduinoを使ったフィジカルコンピューティングの準備

Microduinoを用いた授業を始めるにあたって、いくつかの準備が必要です。

  1. 教材の選定: 入門向けの基本キットなど、授業内容や予算に合わせたキットを選びます。必要なモジュール(CPU、電源、各種センサー、LEDなど)が含まれているか確認します。
  2. 開発環境の準備:
    • パソコン(Windows, macOS, Linuxなど)を用意します。
    • Microduinoを利用するためのソフトウェア(Arduino IDEまたはmBlockなど)をインストールします。Microduinoボードを使用するためのドライバやライブラリのインストールが必要な場合もありますので、製品のマニュアルを確認してください。
  3. 充電環境の確保: 電源モジュールを使用する場合、バッテリーの充電が必要になります。USB充電器などを用意します。
  4. ワークシートや解説資料の準備: 子どもたちが活動を進められるよう、組み立て方やプログラミングの基本的なステップを示した資料を作成します。

小学校での実践アイデア

Microduinoの特性を活かした小学校での実践アイデアをいくつかご紹介します。

これらの活動を通して、子どもたちはプログラミング的思考はもちろん、物理的なモノの仕組み、センサーによる情報の取得、アクチュエーターによる物理的な働きかけといった、フィジカルコンピューティングの基礎を学ぶことができます。

授業時間の確保と評価のヒント

限られた授業時間の中でMicroduinoを使った活動を行うためには、いくつかの工夫が必要です。

評価については、完成した作品だけでなく、製作過程やプログラミングのコード、グループ内での役割分担やコミュニケーションなど、学びのプロセスを重視することが推奨されます。写真や動画、子どもたちの振り返りシートなどを活用したポートフォリオ評価も有効です。

導入にあたっての注意点

Microduinoの導入を検討する際には、以下の点にも留意が必要です。

まとめ

Microduinoは、その小型でモジュール式の特性から、小学校でのフィジカルコンピューティング入門において扱いやすい教材の一つです。直感的な組み立てと、ビジュアルプログラミング環境も利用できる柔軟性により、プログラミングと現実世界を結びつける楽しさを子どもたちに提供できます。この記事で紹介した情報を参考に、ぜひMicroduinoを活用したSTEAM教育の実践に取り組んでいただければ幸いです。